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ブラック企業への取組強化

2013.08.14.Wed.16:57
弁護士
 8月8日の厚生労働省の新聞発表で、若者の「使い捨て」が疑われる企業等への取組を強化するというものがありましたね。いわゆるブラック企業に対する対策ですよね。

社労士
 新聞発表では、3点の取組を柱とすると言っていますね。1点目は若者の「使い捨て」が疑われる企業、ブラック企業といわれていますが、9月を「過重労働重点監督月間」として集中的に監督指導等をするとしています。2点目は、9月1日に全国一斉に電話相談を実施して、情報収集をしていくとしていて、3点目は、パワハラの予防、解決の推進を進してくとしています。

弁護士
 1点目の監督指導ですが、監督対象の情報は集まるのでしょうか?

社労士
 社会問題化していて、国民の関心も高いので監督署や労働局に対しても情報提供があるでしょうし、また、職業安定局も含めた総合的な対策となっているので、ハローワークからの情報もあると思いますので、相当数集まると思いますね。

弁護士
 監督指導は、何を重点とするのですか?

社労士
 発表文では、重点確認事項として、労働時間(36協定の範囲内かどうか)、サービス残業が是正対象としてあげられていますので、適正な時間管理とそれに見合った割増賃金支払いが中心となるのでしょうね。

弁護士
 監督指導は、厳しいものになるのですか?

社労士
 発表文では、「重大・悪質な違反が確認された企業等については、送検し、発表します。」となっていますので、悪質と判断されれば、検察庁に送検ということになると思います。

弁護士
 このような取組をすることになった背景は?

社労士
 やはり、ブラック企業とよばれている若者を「使い捨て」にしてしまう企業の存在が社会問題化してきたことだと思います。これからの社会を支えていく若者が社会人としてのスタートを切るときにこのような扱われ方をすることは許すことができなという問題意識が国民に出てきたのだと思います。それに対応する監督署や労働局も重要な役割で、適切に対応することでその存在意義を示すことができるのではないかと思います。



紹介
 *社労士  森井博子 元労働基準監督署長
 *弁護士  森井利和



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労働審判


アートの書類送検について

2013.04.21.Sun.17:39
社労士弁護士によるブログ
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紹介
 *社労士  森井博子 元労働基準監督署長
 *弁護士  森井利和 

弁護士
 新聞によると 4月18日、船橋労働基準監督署が、労働基準法違反容疑で、引越業大手「アートコーポレーション」(大阪府大東市)と同社の千葉支店長(33歳)を千葉地検に書類送検したということですね。被疑事実は、平成24年3月から4月末までの間、千葉支店の従業員5人に対し、労使間の協定で決めた1カ月当たり45時間の時間外労働時間を101~179時間超過して働かせたとしていることから、送検条文は労基法第32条ということになるのでしょうね。

社労士 
 そもそも時間外労働協定の協定時間をオーバーしているということで、労働基準法違反となるのですが、100時間を超えて残業させていたということですから、過重労働という点でも看過できない事案だったのでしょうね。100時間を超えて時間外労働をさせるということは、過労死のリスクが高く、業務と発症の関連性が強いと評価され、労災として認定される可能性が高くなります。

参考  出所:厚生労働省HP
過労死基準2

弁護士 
 過重労働については、監督署も「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」(平成18年3月17日付け基発第0317008号、平成23 年2月16日付け基発0216 第3号で一部改正)に基づいて、過重労働対策を強力に推進していますよね。この通達では、過労死等を発生させた事業場に対しては「司法処分を含めた厳正な対処」をするということも入っていますね。監督署は、過労死をするような働かせ方に対して厳しい姿勢で臨むということでしょうね。

社労士 
 実は、アートは道路貨物運送業に業種分類されるのですが、過労死等(血管疾患及び虚血性心疾患等)の労災補償状況を見てみると、平成23年度の厚生労働省発表のデータでは、過労死等の請求件数の多い業種は道路貨物運送業が123件でトップとなっています。次に、総合工事業が66件で2位、その他の事業サービス業が56件で3位となっています。このように道路貨物運送業は過労死等の請求件数がダントツに多いのですね。また、支給決定件数も道路貨物運送業が75件でトップで、総合工事業が24件で2位、飲食店が19件で3位ということで、請求件数が多いことから支給決定件数も多くなっているということです。ここから、道路貨物運送業は、他の業種に比して過労死リスクが高い業種といえると思います。

弁護士   
 アートに限らず、長時間労働をさせている会社は、これを契機に見直しを図る必要がありますね。



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労働審判

大阪労働局の強制捜査

2013.04.11.Thu.23:06
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紹介
 *社労士  森井博子 元労働基準監督署長
 *弁護士  森井利和 



弁護士
 先日、大阪労働局が捜索差押に入ったというニュースがありましたね。労働局や労働基準監督署の強制捜査のニュースは久しぶりの気がしますが・・・。

社労士  
 そうですね。全国紙に載るような強制捜査はこのところなかったですね。胆管がんを発生させた会社へのガサ入れだったのですが、久しぶりに捜査機関としての労働局があるということが分かってもらえたのではないかと思います。

弁護士
 確かに労働局や労働基準監督署が捜査機関であることを知らない人が法曹関係の中でもいますものね。  

社労士
 捜査を尽くしなさいとうはよく言われるのですが、相手がなかなか指示する物をださないなら、捜査を尽くすという意味でもやはり強制捜査はすべきだとおもいます。今回はそれを実践したことになるのであるべき姿を見せたことになるし、ニュースになったことで労働局や労働基準監督署の仕事に一般の方のご理解が得られる契機になったと思います。


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