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アーク溶接作業中の感電災害

2014.06.29.Sun.11:28
社労士 

 連載している労働安全衛生広報の6月15日号、「*アーク溶接作業中の感電災害」を取り上げています。事案は、造船所の船体ブロックの中で交流アーク溶接作業をしていた被災者が、アーク溶接の溶接棒に接触して感電したというものです。
この中では
 **感電災害と災害調査
 *是正勧告書・指導票
 *気候と労働災害
 *感電災害防止対策
 *アーク溶接と安全配慮義務とは
 等について解説をしてます。

 今回はこの中から、アーク溶接機を用いた溶接作業による事故にかかる判例を紹介します。


弁護士

 アーク溶接機を用いた溶接作業による火花が壁面に吹き付けられたウレタンフォームに引火して建築中の地下1階、地上17階建てマンションで火災が発生し、労働者1名が死亡するという事故が発生した事件で刑事責任が問われたものがあります。
 この事件では、このマンションの内装工事を請け負った会社の代表取締役、その下請業者(個人営業)、下請業者の内装仕上工の3名が業務上失火(刑法117条の2前段)、業務上過失致死(刑法211条1項前段)として起訴されたほか、下請業者については、労働安全衛生法違反(119条1号、20条2号、労働安全衛生規則279条1項)でも起訴されています。裁判所は、ウレタンフォームは労働安全衛生規則279条1項の「易燃性の物」にあたるとしながら、誤解によってウレタンフォームが易燃性の物であるという認識がなかったとして、故意がなかったとの理由で労働安全衛生法違反は成立しないと判断しました(高知地判平25.3.1裁判所ウェブサイト掲載)。この判決は、上記の3名には、ウレタンフォームへの引火による火災の発生を防止すべき注意義務があるとし、ウレタンフォームは難燃性の断熱材であり吹付け直後はよく燃えて危険だがしばらくして乾いた後には容易には燃え広がらないと軽信したことなどの過失があるとして、業務上失火、業務上過失致死が成立すると判断しています。さらに、この判決では、被告人にはなっていなかった元請建設会社の元方安全衛生管理者の責任にも言及して、元方安全衛生管理者が適切な措置をとっていれば火災は発生しなかった可能性が相当程度あると判断しています。この事件では元請建設会社、下請業者と被害者との間に示談が成立していましたが、民事事件として考えると、元請会社に損害賠償責任が発生する可能性が強いものです。
 アーク溶接は、便利で建設現場や工場でよく利用されていますが、危険・有害性のある作業でもあり、安全配慮義務(健康配慮義務)の問題も生じてきますので、安全及び健康には十分配慮して行う必要があります。

紹介
 *社労士  森井博子 元労働基準監督署長
 *弁護士  森井利和



*****森井労働法務事務所関連出版物の紹介*****

「The検証!! 労働災害事件ファイル」(労働調査会)森井博子&森井利和共著

「実務に活かす労働審判」(労働調査会)森井利和著


事件ファイル

労働審判


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