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ボール盤による巻き込まれ災害

2014.09.09.Tue.23:30
社労士 

 連載している労働安全衛生広報の9月15日号、「ボール盤による巻き込まれ災害」を取り上げています。事案は、被災者が、工場内でボール盤を用いて、ステンレス鋼板の端板に穴をあける作業を行っていたところ、ドリルに絡まった切り屑を除こうとして、機械を停止させずに、また、手袋をつけたままドリルに手を近付けて、回転しているドリルに手が巻き込まれたというものです。
この中では
  *ボール盤事故と災害調査
  *是正勧告書
  *是正報告
  *ボール盤災害の原因と対策
  *手袋による巻き込まれ災害
  *安全配慮義務
   等について解説をしてます。

 今回はこの中から、本件でも問題となった手袋をしていて巻き込まれ災害にあった判例を紹介します。


弁護士

  判例は、皮手袋をして作業をしていた労働者が、メタルソー切断機のメタルソーで右手を負傷し、使用者に対して損害賠償請求をしたという事件です(名古屋高判平15.9.24裁判所ウェブサイト登載)。
 この事件は、メタルソー切断機(以下「本件機械」)で鉄パイプの切断作業をしていた労働者が、回転している本件機械のメタルソーで右手を負傷したというものですが、新品の皮手袋を着用しており、地裁の段階で行われた検証の結果、新品の皮手袋では手袋の縁以外の部分をメタルソーの刃体にあてても滑ってしまい、本件機械に巻き込まれなかったが、皮手袋の縁の部分はメタルソーの刃に引っ掛かり得る状態であったという事実が認定されています。
 また、その機械の取扱説明書には、本件機械使用中には手袋の着用を避けること、スイッチを切ってメタルソーの回転の停止を確認してから切り落とした材料を取り除き、次の段取りをするように記載してあったことが記載されてありました。
 この事件では、皮手袋の縁の部分が本件機械のメタルソーにあたり、被災労働者がこれに巻き込まれて負傷したと判断されていますが、裁判所は、「被控訴人(注 事業者)において控訴人(注 労働者)に本件機械の安全な操作方法を教えるなどの措置を取ったことを認めることができず、被控訴人には安全配慮義務違反を認めざるを得ない。」とする一方で、労働者の行動は、「安全性に対する配慮を著しく欠いた、極めて不注意なものであり、控訴人の過失は大きいと言わざるを得ない。」として、労働者側の過失を65%としています。この事件で労働者の過失が大きいとされたのは、この事件での事実関係では、作業者が機械に正対していれば皮手袋の縁の部分がメタルソーにあたることはありえず、労働者の不注意によって皮手袋の縁の部分がメタルソーにあたるような姿勢、動作をとってしまったと判断されたためで、手袋をしていたという点だけが労働者の過失ではありません。
 それでも、労働者に対する安全教育がなされていなかった点が安全配慮義務違反と判断されていることに注意すべきでしょう。


社労士

  以上の判例のほか、このほか、*ボール盤事故と災害調査、*労基署の是正勧告書、*会社の是正報告、*ボール盤災害の原因と対策 、手袋による巻き込まれ災害、*安全配慮義務 についても解説しておりますので労働安全衛生広報の9月15日号をご覧になっていただければと思います。


紹介
 *社労士  森井博子 元労働基準監督署長
 *弁護士  森井利和



*****森井労働法務事務所関連出版物の紹介*****

「The検証!! 労働災害事件ファイル」(労働調査会)森井博子&森井利和共著

「実務に活かす労働審判」(労働調査会)森井利和著



事件ファイル

労働審判

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