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パワハラでうつ病になった転職社員

2016.12.31.Sat.10:47
社労士


 連載している労働安全衛生広報の2016年8月15日号、「パワハラでうつ病になった転職社員」を取り上げていま す。事案は、転職してきた社員が上司のいじめでうつ病になったというものです。この中では
   *パワハラについて
   *「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けたこと」により発症する精神障害
  *うつ病発症と労災認定
  *是正労基署の監督指導
  *パワハラと安全配慮義務
等について解説をしてます。

 
 今回、パワハラの事案の損害賠償請求事件の箇所を紹介します。


弁護士


 パワハラで損害賠償責任が認められた判例として、K市水道局事件(横浜地川崎支判平14.6.27労働判例833号61頁、東京高判平15.3.25労働判例849号87頁)があります。この事件は、上司(課長、係長、主任)が、部下をいじめていたという事案で、国家賠償法に基づいてK市に損害賠償責任を認めた事案です。一審判決も控訴審判決も、K市に対する損害賠償請求を認めましたが、7割という大幅な過失相殺(素因減額)がなされています。
   
 最近の事案では、X産業事件(福井地判平26.11.28労働判例1110号34頁)があります。これは、入社1年にも満たない19歳の社員に対し、その仕事上のミスについて、上司が、「学ぶ気持ちはあるのか、いつまで新人気分」、「詐欺と同じ、3万円を泥棒したと同じ」、「毎日同じことをいう身にもなれ」、「耳が遠いんじゃないか」「、嘘をつくようなやつに点検を任せられるわけがない」、「嘘を平気でつく、そんな奴会社に要るか」、「会社辞めた方が皆のためになるんじゃないか、やめてもどうせ再就職はできないだろ、自分を変えるつもりがないのならば家でケーキ作れば、店でも出せば、どうせ働きたくないんだろう」、「死んでしまえばいい」、「辞めればいい」、「今日使った無駄な時間を返してくれ」などと言われ続け、精神障害を発症して自殺したというものです。これについて、裁判所は、「これらの発言は、仕事上のミスに対する叱責の域を超えて、d(注 自殺した労働者)の人格を否定し、威迫するものである。これらの言葉が経験豊かな上司から入社後1年にも満たない社員に対してなされたことを考えると典型的なパワーハラスメントと言わざるを得ず、不法行為にあたると認められる。」と判断し、いじめと自殺との因果関係も肯定しました。
 

 紹介
 *社労士  森井博子 元労働基準監督署長
 *弁護士  森井利和

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