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石綿ばく露により中皮腫を発症

2016.12.31.Sat.11:00
社労士


 連載している労働安全衛生広報の2016年9月15日号、「石綿ばく露により中皮腫を発症」を取り上げています。事案は以下のとおりである。被災労働者は、解体工事会社に勤務しており、現場の経験も豊富なことから社長を補佐して、現場での技術的な指導をしたり、社員の相談に乗ったりして後見人的役割を果たしてきた。ところが、昨年の年初から咳が止まらなくなり、また、胸が苦しくなり、仕事ができなくなった。次第に症状が悪化するので、病院に行き、診察してもらったところ中皮腫と診断された。病院から、被災者の作業内容から石綿ばく露による中皮腫ということなので、労災になるとのアドバイスを受けた。そこで、労基署に、労災申請したところ、労災と認められた。

この中では
  *労働者死傷病報告
  *石綿について
  *災害時監督
  *是正勧告書
  *石綿則の改正
  *石綿に関する法規制と石綿に関する労災事例
  *国の権限不行使による国家賠償事件

等について解説をしてます。

 
 今回は、この中の国の権限不行使による国家賠償の箇所を紹介します。


弁護士


 アスベストを原因とする中皮腫のり患について、国の権限不行使を理由とする国家賠償請求を求める訴訟で、国の規制権限不行使を違法として国家賠償を認めた判決があります(大阪泉南アスベスト(国家賠償請求)事件、最1小判平26.10.9民集68巻8号799頁、判例時報2241号3頁)。この事件は、アスベスト工場の元労働者(及び死亡した労働者の遺族)が国を相手に国家賠償請求を起こしたものですが、昭和30年9月から昭和32年3月にかけての大規模なけい肺健康診断及び昭和31年から特殊健康診断が実施され、相当数の異常所見者が認められたことから、1958年(昭和33年)に、粉じん作業等に関する通達を出した時点で、旧労基法に基づく省令制定権限を行使して、罰則をもって石綿工場における局所排気装置を設置することを義務付けるべきであったのに、旧特定化学物質障害予防規則で石綿に関する作業についての局所排気装置の設置義務などを定めた1971年(昭和46年)4月まで行使しなかったことが、著しく合理性を欠き違法であると判断されました。

紹介
 *社労士  森井博子 元労働基準監督署長
 *弁護士  森井利和



 
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